『あれ?歯に穴が開いてる。』
『歯がぐらぐら揺れて固い物を食べにくい…まわりの歯ぐきも腫れて痛い。』
こんな時はどうしますか?
多くの方が『とりあえず歯科医院に行く』とお答えになると思います。
お口の状態を調べて、痛むところを治療して、歯を削ったり、場合によっては抜歯して、入れ歯やブリッジを装着したり。
忙しい生活の中、頑張って通ってやっと治療が完了!
ついでに歯石や細かな汚れもクリーニングして、お口の中はすっかりピカピカです。
やれやれ、やっと治った。当分歯医者には行きたくないな。
ちょっと待ってください。せっかく時間もお金もかけてきれいに治したそのお口、良い状態をできるだけ長続きさせたくはないですか?
治療が完了した時というのは、お口の中のトラブルが全て解決したベストな状態なのです。
『そんなの毎日しっかり歯磨きをしていれば大丈夫でしょう?治したところはもう虫歯にならないしね。』
次に歯科医院に行くのはまたどこかが痛くなった時。
残念ですが、それはあまりおすすめできません。
鏡の前で大きくお口を開けてみてください。
鏡をのぞきこんでも、案外見えないところって多いと思いませんか?
前歯の裏側、奥歯と奥歯の間、歯と詰め物やかぶせものとの境目など、しっかり歯磨きしているつもりでも自分で見えないところには気づかないうちに汚れがたまってしまうことが多いものです。
そうしてたまった汚れが虫歯や歯周病の原因となり、また歯医者で治療することに…。
歯科治療というものは、虫歯で悪くなった部分を削って樹脂や金属に置き換え、重度の虫歯や歯周病でどうしても残すことができない場合には抜いて入れ歯やインプラントをするということです。
通常、生物の体には自然治癒力があるので、体の柔らかい部分(皮膚や内臓)の傷や骨折に対しては傷を塞ぎ、折れた骨をくっつけるという治癒機転が働きます。
しかし、歯や歯を支える顎の骨に関しては残念ながらそのようにはいきません。
虫歯や歯周病が進行した部分を放っておけば、悪くなることはあっても自然に治ることはありません。
『虫歯で穴が開いたけど放っておいたら自然にふさがった』なんて話を聞いたことはないですよね?
そして虫歯や歯周病をはじめとする歯科疾患には大きな特徴がいくつかあり、その一つが『痛みなく進行する』というものです。
そのため、患者様が痛みを自覚する頃には疾患自体はかなり進行しており、結果的に抜歯などの大がかりな治療が必要になってしまうことが多いのです。
つまり、痛みが出るほど疾患が進んだ状態で治療を受けるということは、大きなダメージを負った歯や骨にさらに負担をかけなければならないということなのです。
こちらにある歯科医院が行った調査の結果を示すグラフがあります。
このグラフは『痛い時に治療だけ受けた』という方と、特に痛みがなくても『定期検診を継続して受け続けた』という方とでお口に残っている歯の数(残存歯数)を年代別に比較したものです。
グラフからは年齢が高くなるにつれてその差は大きくなっていき、80代以上では約9本の差が生じたという結果が見てとれます。
痛くなってから大がかりな治療を受けることを繰り返せば、確実に歯の寿命を縮めてしまうということが示されているのです。
このような事態を避けるため、当院では患者様全員に定期的なメンテナンスをおすすめしています。
『メンテナンス』という言葉をご存知でしょうか?
自動車などの機械製品によく使う言葉として知られていることが多いのですが、大体が整備や保守といった意味で使われています。
意外に思われるかもしれないのですが、最近、歯科においても『メンテナンス』という言葉が頻繁に使われるようになってきています。
その意味するところは、まさしくお口の『整備』。
定期的にお口に異常が生じていないかチェックしたり、細かな部分までクリーニングしたり。
数か月ごとに来院していただくことで、もしも新たに虫歯や歯周病の進行、入れ歯の不具合などが発生しても早めに対処することができるのです。
歯石や歯表面の着色除去だけでも大歓迎です。
メンテナンスによりお口のすみずみまで清掃し、爽快感を感じていただくとともに患者様ご自身では気づけないような小さな虫歯の発生や歯周病の進行の兆候を早期にとらえ、治療を最小限度にとどめることができます。
当院では患者様の健康なお口を守ることが全身の健康にもつながると考え、患者様お一人ずつのお口の状態に配慮したメンテナンスに力を入れております。